【第 3 回】初心者のための素人ラジオ配信【編集】
こんばんは、オスパフです。毎週日曜日 22 時頃、寝落ちラジオというラジオを配信しています。
この記事は「ラジオ配信をしてみたいが、何から始めればいいか分からない」という方々のためのものです。順に読んでいただければ、ラジオ配信の知識がなくても、書いている内容が理解できなくても、とりあえずラジオ配信できるようになっています。
さて、今回は「初心者のための素人 Podcast ラジオ配信」記事の第 3 段です。どこで配信するかについて述べた第 1 段の記事、リモート収録と配信について述べた第 3 段の記事は下記からどうぞ。
ついに第 3 段です。今回は「編集」について書きたいと思います。Podcast 配信において、1 番苦しい部分であり、1 番楽しい部分であり、そしてリスナーの方が聴きやすいラジオを目指すに当たって不可欠な部分です。
結論から書くと、下記を編集するとラジオのクオリティが上がります。
- リスナーが聴きやすい音にする
- 会話の間を調整する
- 音楽を入れる
- エフェクトを足す
また、今回は Audacity という編集ソフトを用いることを前提としますが、世の中には編集ソフトがたくさんあります。前回の記事でも書いた通り、スマホで編集することも可能です。
そして、アプリが変わろうと、編集する必要がある項目は同じです。ですので、編集全般について知りたい方は、ぜひ下記を読んでみてください。
目次
リスナーが聴きやすい音にする
この「初心者のための素人 Podcast ラジオ配信」の記事では何度も書いていますが、Podcast 配信において 1 番重要なのは「リスナーが聴いてくれるか」です。編集においてももちろん重要で、聴きやすい音にすることがその第一歩となります。
具体的には
- 雑音を消す
- 音の最大と最小の振れ幅を小さくする
という 2 点です。
雑音を消す
実際に音声を録音してみると分かりますが、マイクを使ったとしても (使うから、とも言えますが) 雑音はかなり含まれます。エアコンの音、スマホを置く音、足を組む時に机に触れた音。その他だと、人が口を動かす時の音 (ぺちゃくちゃという音) もあります。
これ、実際に聞くとかなり不快です。深い不快を伴います。...すみません。
まずはこれらの音を取り除きましょう。
Audacity だと、範囲を指定して [Command] + [L] を押すだけ。これで無音になります。Windows ならおそらく [Ctrl] + [L] です。違ったらごめんなさい (Ctrl + Z で元に戻せます)。
しかし、エアコンの音など、常に「ゴーッ」と鳴っている音もあります。これをいちいち無音にしていくのはかなりしんどいですよね。第一、声と被っていたら消せません。
そういう時には、ノイズ除去を使いましょう。Audacity だと、[エフェクト] の [ノイズの低減] で可能です。 声を発していない箇所、かつ「ゴーッ」という音が聞こえる箇所を選択し、[ノイズプロファイルの取得] を選択します。
その後、トラック全体を選択し、[エフェクト] の [ノイズの低減] を指定します。あとは、下記の数値をいじるだけ。
- ノイズ低減:どの程度の音量で低減させるかの数値。
- 感度:この数値を上げれば上げるほど、プロファイルで取得した音と同じ音が低減される。エアコンの音を消したい時は、何もないところを選択し、感度の数値を上げれば良い。
- 周波数平滑化:ノイズを除去すると、音の周波数が変わるため、その境界を滑らかにする。ノイズの除去が大きい場合は値を変えてもいい、くらいの項目。
音の最大と最小の振れ幅を小さくする
スマホで音楽を聴こうとして、イヤホンをつけ、いざ再生すると「うわああああ音がでかいいいいい!!うるせぇえええええ!!」ってなったことありませんか?
耳は急な音圧・音量の変化に弱いです。そのため、段々音量を上げる際には「あーうるせー」で済みますが、急に大音量が聞こえるとスマホを投げつけたくなるわけです。
1 つの番組を聴いているのに、音量や音圧に幅があれば、聞けたもんじゃありません。そこで、コンプレッサーを使って調整し、なるべく均一の音にします。
Audacity の場合は、トラック全体を選択し、[エフェクト] > [コンプレッサー] を指定しましょう。あとは数値をいじって [OK] で完了です。
- 閾値:これ以上大きい音の場合、聞きやすくするために音を小さくする処理を行う。ラジオ番組によってここは変わってくるので、調節する。
- ノイズフロア:音量が上がるとノイズの音量も上がるため、これをカットする。
- レシオ:閾値を超えた際に、どの程度で圧縮するかの指標。一般的には 1.5 : 1 から 10 : 1 程度で設定する。音声だけの場合は、圧縮の比率は大きめが良い。
- アタックタイム・リリースタイム:圧縮する際に音の大きな部分と小さな部分に差が出るため、この境目を滑らかにする。
会話の間を調整する
リモートで収録すると、必ず遅延が発生します。
例えば LINE 電話だと、喋った声がデジタル信号に変換され、インターネット回線の長い長い道のりを通って相手のスマホに届き、もう一度信号の変換を行います。当然、目の前で会話するよりも時間がかかるのです。
これはつまり、後から音声ファイルを聴き直すと「返事するの遅いな」とか「なんか一瞬間があって笑ったな」と感じる、ということです。「笑いに間は重要」とよく言いますが、ラジオでも絶対に言えることです。
ただし、これを調整していると、編集時間が半日を超えます。ですので、こだわる方だけどうぞ。
一般的に、人がちょうどいいと感じる会話の間は 0.5 ~ 0.8 秒くらいだと言われています。心理学の分野で研究がいくつもされているのです。ですので、このくらいを目安にカットしていくのが良いかもしれません。
寝落ちラジオの場合は、次に続くのが普通の会話なのか、ツッコミなのか、ただの笑い声なのかでも編集を変えています。ただ、意識して聴いていただくと恥ずかしいので、編集する方以外はこの情報を忘れてください。
音楽を入れる
言わずもがな、大切な要素ですね。音楽が入ることで一気に華やぎます。寝落ちラジオでも DJ MIO さんの Eternally という曲を使わせていただき、男 3 人のムサいラジオが一気にお洒落になりました。
注意すべき点は、音声をコンプレッサーで調整したのと同様、音量と音圧の急激な変化を作らないことです。
エフェクトを足す
これも大切なことです。例えば番組内でコーナーをする際、オールナイトニッポンや TBS ラジオのようなプロのラジオがそうであるように、エコーかけたいですよね。喋っている時は音楽を段々小さい音量にしたいですよね。
こういった小さな部分を行うことで、ラジオのクオリティはとても上がります。ですので、ぜひ挑戦してみてください。
寝落ちラジオでは、コーナー名を言う部分は「リバーブ」という処理で行っています。リバーブ (reverb, reverberation) は残響音のことです。 音は波なので、壁など周囲の物に反射してから人の鼓膜を揺らします。その際の距離や材質を表現するのがこのリバーブです。
エコーではなくリバーブに設定し、広く反響する部屋を表現することで、オールナイトニッポンのエコーっぽさを出しています。
まとめ
- リスナーが聴きやすいように音量・音圧を設定し、雑音はカットする
- 会話の間を調整して遅延を感じさせないようにする
- 音楽を入れたり、エフェクトを足したりして本物のラジオっぽくする
さて、これで全 3 回にわたる「初心者のための素人 Podcast ラジオ配信」の記事は終了です。僕が 1 番大切にしている「リスナーが聴いてくれるラジオか」というポイントは、これで満たせるんじゃないかと思います。
まぁ知らんところでこのラジオ、嫌われとるかもしれんけどな。
おやすみなさい。
オスパフ
寝落ちラジオや当ブログへのお便り、お待ちしております。